スレート屋根ってどんな屋根?雨漏り修理にかかる費用

「うちの屋根って瓦屋根じゃない気がする…スレート屋根っていうんだっけ?」
「屋根をスレートに変えたいなあ。 スレートのメリット・デメリットをくわしく知りたい!」
「スレート屋根のメンテナンスって、どうしたらいいの?」
一軒家から工場の屋根まで、日本各地で幅広く使用されている「スレート屋根」。
スレートは今、日本全国でもっとも人気の屋根材(屋根に使われる素材のこと)といっても過言ではありません。
新築やリフォームで「うちの屋根をスレートにしたい!」と考える人も多いと思います。
1度スレート屋根にすると、最低でも10〜20年はそのままというご家庭が多いです。
スレート屋根のメリット・デメリット、メンテナンス方法や修理にかかる費用をよく知ってから、ぜひ納得感を持って葺き替えていただきたいです!
とくに下記に当てはまる方に読んでいただきたい内容となっております。
- スレート屋根の特徴やメリット・デメリットを知りたい
- スレート屋根が壊れたり、雨漏りする原因を知りたい
- スレート屋根の修理にかかる費用がどのくらいか知りたい
- スレート屋根のメンテナンス周期を知りたい
その他にも、私たちが普段どのようにスレート屋根を修理しているかをイラストつきで解説していますので、ぜひ読んでみてくださいね!
それではさっそく行ってみましょう。
▶「いますぐスレート屋根の雨漏りを直してほしい!」という方は、私たちみんなの雨漏り修理屋さんまでお気軽にご相談ください。
熟練の修理士が、問題の箇所だけをピンポイントで修理いたします!
スレート屋根ってどんな屋根?
スレート屋根とは、カンタンに言うと強力なセメントを固めて作った屋根のことです。
これはクボタ松下電工外装(現ケイミュー株式会社)によるスレート屋根の商品名です。
とても有名な商品だったので、スレート屋根そのものを指す言葉として使われるようになったんですね。
スレート屋根には、高級屋根材の「天然スレート」と、人工の「化粧スレート」の2種類があります。
天然スレートは希少価値の高い、高級な屋根材です。
一般的な戸建ての屋根では、「化粧スレート」を選ぶ方が多いですね。
化粧スレートの特徴
化粧スレートの主成分は、セメントと繊維素材です。
厚みはスマートフォン程度(約5ミリ)と薄く、軽くて持ち運びやすいのが特徴です。
化粧スレートは、色や形、模様のバリエーションが豊富です。
とくに人気なのは、「平板スレート」と呼ばれる平たい板状の屋根ですね。
形状の違いを、表で確認してみましょう。
化粧スレートと天然スレートの違い
化粧スレート | |
---|---|
平板スレート
|
平べったい板状で、非常に薄い(5mm程度)スレート屋根。 セメントが多く使われ、表面が着色されている。 |
厚型スレート
|
厚みをもたせて瓦形状にしたスレート屋根。 陶器瓦よりも安価で重宝された。 しかし瓦ほど耐久性がなく、平板スレートに比べて高価なため、現在はあまり製造されてない。 |
波型スレート
|
波型に加工したスレート屋根。 主に工場の屋根として使われている。 |
天然スレート | |
|
天然石が使われていて、耐久性が高く色あせないスレート屋根。 希少価値の高い高級屋根材として知られる。 |
スレート屋根がどのようなものか、イメージできたでしょうか。
続いては、スレート屋根のメリットとデメリットを見てみましょう。
スレート屋根のメリット・デメリット
一軒家で使われる屋根材は、スレート以外にも粘土瓦・金属屋根など、様々な種類があります。
スレート屋根は、1番人気の「粘土瓦」と「金属屋根」の次によく出荷されています。
参考:令和元年房総半島台風を踏まえた建築物の強風対策の方向性|参考資料
そんなスレート屋根には、どのようなメリット・デメリットがあるのでしょうか。
まずはメリットから、くわしく見てみましょう。
スレート屋根のメリット
スレート屋根のメリットを一言でいうと、とにかくコストパフォーマンスが高いことです。
下の表に具体的なメリットをまとめてみました。
機能性 |
耐久性が高く、長持ちする(約30年) |
---|---|
耐火性・耐熱性が高く、燃えにくい | |
湿気や水に強く、腐りにくい | |
瓦屋根の半分以下の軽さ | |
太陽光パネルを設置できる(※要相談) | |
デザイン性 |
見た目がシンプルで、和風の家にも洋風の家にもマッチする |
カラーバリエーションが豊富 | |
施工や加工がしやすい | |
費用 |
瓦よりも単価が安い(瓦の約半額) |
修理・メンテナンス費が比較的安い |
特殊な屋根材の雨漏り修理では、「うちは対応外です」と修理を断られる場合もあります。
しかしスレート屋根なら、状況を問わず対応してくれる業者は多いと思いますよ!
スレート屋根のデメリット
続いて、スレート屋根のデメリットについて。
一見すると完璧な屋根材に見えるスレート屋根ですが、伝統的な日本の陶器瓦と比べると、欠点というほどではないですがカバーできていない部分もあります。
「瓦屋根との比較」という観点から、スレート屋根のデメリットを見てみましょう。
スレート | 瓦 | |
---|---|---|
色の持ち |
△ 塗装の表面が劣化して剥げるので、定期的に再塗装する必要がある。 |
◯ ほとんど色あせない。 |
軽さ |
◯ 厚さ5ミリと薄くて軽い。 |
△ 厚さ10〜20ミリと厚くて重い。 |
耐久性 |
△ 寿命は25年。 瓦よりもヒビ割れしやすい。 |
◯ 寿命は50年〜100年。 スレートよりも割れにくい。 |
耐火性 |
△ 瓦よりも燃えやすい。 |
◯ 瓦は1度焼いてあるので、スレートよりも燃えにくい。 |
防水性 |
△ 瓦よりも水を通す。 |
◯ 構造上、スレートよりも防水性が高い。 |
ひとつ注釈なのですが、上の表はあくまで瓦屋根と比較したときの評価です。
瓦は耐久性が優れていますが、葺き替えや修理費用もそれなりのお値段となります。
スレート屋根の安さやデザイン性はほかに変え難いものですので、予備知識として押さえておきましょう!
機能性・コスト両方のバランスが、スレート屋根の魅力です!
スレート屋根を選ぶ前に…抑えておきたい6つの基礎知識
「家の屋根をスレートにしたいけど、なんとなく不安…」
「設置する前に、点検や修理についても知っておきたい」という方も多いと思います。
そこでこのトピックでは、私たち修理士がお客さまからよくいただくスレート屋根の質問をもとに、基礎知識を6つ厳選して紹介したいと思います。
- スレート屋根にはアスベストが入っていたって本当?
- スレート屋根には雪止めや太陽光パネルは設置できる?
- スレート屋根は結露ができやすい?
- スレート屋根の寿命は何年?
- スレート屋根はヒビ割れしやすい?
- スレート屋根が割れる原因とは?
各トピックをタップすると、該当の質問へ移動しますので、気になるところから読んでみてくださいね。
それではさっそく見ていきましょう。
スレート屋根にはアスベストが入っていたって本当?
これは本当です。
昔のスレート屋根にはアスベスト(天然繊維の石綿)が使われていて、健康に影響が出ると言われて問題になりました。
「うちの屋根にもアスベストが入っていたらどうしよう…」と不安に思う方も多いと思います。
しかし、現在作られているスレート屋根にアスベストはまったく使われていませんのでご安心ください!
現在はパルプ繊維・シリコン・セメントなどを組み合わせた、強度の強いスレート屋根が主流です。
アスベストが入っているかどうかの判断のめやすとして、平成18年(2006年)よりも前に作られた化粧スレートには石綿が使われている可能性があります。
1点お伝えしておきたいのですが、アスベストは空気中に飛散して人の口や鼻に入り、肺まで達したときに有害とされている物質です。
スレート屋根の場合、アスベストは屋根材の中にセメントと一緒に固められていますので、普通に生活している限り飛散することはありません。
なのでアスベスト入りのスレート屋根の下で普通に生活している限りは、すぐに影響が出るわけではありませんので、落ち着いて対処すれば大丈夫ですよ。
アスベスト入りのスレート屋根は葺き替えに注意!
アスベスト入りのスレート屋根で注意してほしいのは、葺き替え工事のときです。
葺き替え工事では屋根材を剥がす必要があり、その際にアスベストが飛散します。
雨漏りや劣化で昔のスレート屋根の葺き替え工事をする時は、工事中にアスベストが飛び散らないように注意が必要です。
高度な技術が必要とされるため、アスベストの撤去は「石綿作業主任者技能講習」を修了している業者でないと作業できません。
このような事情から、業者に屋根材の撤去を依頼するときには、アスベストの撤去を請け負っている業者に頼むようにしてくださいね。
また、元の費用にプラスしてアスベスト撤去費が別途発生しますので注意してください。
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スレート屋根に雪止め金具や太陽光パネルは設置できる?
雪止めなら、スレート屋根に設置しても大丈夫です。
ただし太陽光パネルは、雨漏りする可能性が高くなるのでオススメしません!
太陽光パネルを設置すると、スレート葺きの屋根と太陽光パネルとの間にスキマができて、雨漏りしてしまうケースが多いんですよね。
また、太陽光パネルを設置すると屋根の塗装難易度と費用が上がります。
塗装をすると、太陽光パネルの保証が切れてしまうことがありますので、業者に確認しましょう!
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スレ−ト屋根は結露ができやすい?
たしかに、ほかの屋根材と比べて、スレート屋根は結露ができやすいと言われています。
しかし…、換気棟がついている屋根なら大丈夫です!
一軒家の屋根は、外側から建物を守る屋根材(一次防水)と、骨組みとして屋根材を支えるルーフィング(二次防水)という2つの要素から成り立っています。
この2つの間には、雨水の侵入を防ぐ防水シートが敷かれているのですが…。
瓦屋根の場合、ルーフィングと屋根材の間に空間ができるので、通気性に優れ、結露が起こりにくくなります。一方スレート屋根の場合、防水シートのすぐ上に平たい屋根材を敷くため蒸れやすく、結露も起こりやすくなってしまうんです。
なので、屋根の棟の部分に空間を設けて「雨は通さないけれど、空気は通す」ことが重要になってきます。
ここで活躍するのが屋根の頂上部、棟板金のあたりについている「換気棟」です。
換気棟がしっかりとついているスレート屋根なら、蒸れたり結露ができたりする心配とは無縁です。
屋根の穴を開けることで、雨漏りを心配される方もいますが、換気棟の構造上、雨漏りが起きることはありません。
熟練の屋根職人に取り付けをお願いすれば、より確実です。
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スレート屋根の寿命は何年?
スレート屋根の寿命は約25年ほどと言われています。
もちろん、古さや品質、種類によって商品ごとに寿命差がありますが、たとえばスレート屋根の大手メーカーケイミューの資料には「30年持つ」と書かれています。
とはいえ、スレート屋根はたった一箇所でも割れたりヒビが入ると、そこから雨水が侵食して屋根全体の劣化を早めてしまいます。
そのため、寿命とは関係なくヒビ割れやズレ、破損がないか10年ごとに点検するのがおすすめです!
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スレート屋根はヒビ割れしやすい?
先ほど「スレート屋根のデメリット」の章でも少しだけお伝えしましたが、スレート屋根はほかの屋根材と比べて構造的にヒビ割れしやすいという特徴があります。
もともとの材料がセメントや粘土など、軽めの石でできていますので、設計や施行のミスがなくてもヒビ割れしやすい作りになっているのです。
スレート屋根は見た目がキレイで汚れも目立たないため、ヒビ割れに気づかないこともあります。
一見問題ないように見えても、「ヘアークラックと呼ばれる、目に見えないヒビが入っていた!」なんてケースもありますので、ご注意ください!
ヘアーラックができる仕組みについては、この下のトピックでくわしく説明しますね!
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スレート屋根が割れる原因とは?
スレート屋根が割れてしまう原因のひとつに、踏み割れがあります。
踏み割れとは、人の足で踏んだことにより、屋根が割れてしまうことですね。
「えっ、高い位置にある屋根を踏むって、どんな状況?」とびっくりする方も多いのですが、実は業者の不手際による施工不良が原因です。
つまり、屋根を葺いてもらった当初から割れていた…ということになります!
せっかく新築やリフォームで新しく屋根を葺いてもらったのに、その業者によって屋根が傷ついてしまったというのは、あまりにも悲しすぎますよね。
やっかいなのが、表面上はキレイに見えるのに、実際は目に見えないヒビが入っているケースです。
屋根の工事は建物工事の中でも難易度が高い作業だと言われていますが、経験の浅い作業員に当たってしまうと、このような細かいヒビ見逃してしまうことが多いんですよね。
スレート屋根が割れる原因は、大きく分けて2つあります。
- 人の重さによる踏み割れ
- クギの踏み割れ
(1)人の重さによる踏み割れ
スレート屋根は、人が乗っただけで割れてしまうことがあります。
すべてのスレートが人の重みに耐えられないわけではありませんが、なにしろ薄くて繊細な屋根材ですので、踏み方によっては表面を傷つけてしまうのです。
屋根の上に人が乗ると、スレートだけではなく、その下の野地板にも負荷がかかります。
負荷がかかった野地板はたわみますが、そのたわみが大きい箇所は、上に葺かれたスレートのたわみも大きくなります。
そうすると、屋根材に「ヘアーラック」と呼ばれる目に見えないヒビがスレートに入ってしまうんです。
次に、スレートに打ち込まれたクギの踏み割れについて。
(2)クギの踏み割れ
スレートを固定しているクギを踏むと、スレートがヒビ割れることがあります。
クギのてっぺん…つまり「釘頭」の打ち込みが甘く、釘頭が板の上に出てしまっていると、その上のスレートにヘアークラックが入りやすくなります。
とくに重ね葺きされたスレートだと、上下のスレートが重なる部分が増え、踏み割れする確率が上がります。
踏み割れは大きくなる?
「ヘアークラック」と呼ばれる目に見えないヒビは、次の3つの理由で大きくなります。
- 雨が降ってスレートが伸びる
- 炎天下など高温でスレートが収縮する
- スレートに含まれるセメントが中性化して、収縮する
主に天気や気温といった自然現象によって、形が変わってしまうんですね。
伸縮性がメリットのスレート屋根ですが、それが裏目に出ることもあるのです。
踏み割れを避けるには、よい施工業者を選ぶことが大前提ですが…。
避けられない細かいヒビは、どのように修繕すればよいのでしょうか。
次は、このようにヒビが入ったり劣化してしまったスレート屋根を補修する方法をお伝えします。
スレート屋根の修理方法と費用相場は?
「スレート屋根から雨漏りしてる!修理してもらわなきゃ」
「うちの屋根、古くなってきたなあ…そろそろ修理が必要かな?」
スレート屋根の修理には「全面修理」と「部分修理」の2種類があります。
それぞれの修理内容と、修理費用の相場を見てみましょう。
全面修理の費用相場※約30坪あたり | ||
---|---|---|
塗装 | 葺き替え | カバー工法(重ね葺き) |
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30万円~90万円 | 50万円~200万円 | 70万円~150万円 |
屋根材や外壁材を水分やホコリから保護するため、塗装すること。 | すでに葺かれている屋根材を撤去して新しいものに替えること。 | 既存の屋根材を金属屋根でカバーする方法のこと。 |
部分修理の費用相場※約30坪あたり | ||
コーキング修理 | 屋根材の差し替え | 棟板金の交換 |
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2千円~6万円 | 5千円~6万円 | 3万円~12万円 |
建物の合わせ目やすき間から雨水が入らないよう、目地材(めじざい)で埋めること。 | 屋根材の1部を新しいものに交換すること。 | 屋根の頂上や四隅に設置されている棟板金(むねばんきん)を交換すること。 |
※足場を組む場合、追加で+10万円〜の金額が上乗せされることがあります
どの程度の修理が必要かは、雨漏りの被害規模や屋根の状態で決まります。
「コーキング」や「屋根材の差し替え」などの部分修理は、早ければ1日で完了しますが、全体修理はその限りではありません。
数10万円〜100万円単位のお金をかけて、長ければ1ヶ月ほど期間をかけて工事を行います。
家主の方にとっても、屋根の全体修理は1大イベントです。
全体修理ではどのような施工をするのか、3つの施工内容をそれぞれくわしくご紹介します。
(1)塗装
費用相場 | 30万円~90万円 |
---|---|
工事期間 | 5日間〜2週間 |
屋根塗装とは、屋根材に塗料を塗り直す工事のことです。
屋根を塗装するメリットは、ただ見た目がキレイになるだけではありません。
塗料による保護膜を屋根材にまとわせることで屋根を雨風から守り、経年劣化を抑えることができるんです。
屋根の定期的に行うようにしましょう。
めやすとしては、築10年以上経過した建物は塗装を検討したほうがいいですね。
塗装にかかる費用ですが、10坪だと10万円前後、50坪だと40~100万円程度…と、面積によって変わります。(上でご紹介した費用相場は、過去の工事の平均値です。)
また、ウレタン系塗料<シリコン系塗料<フッ素系塗料というように、塗料の種類によっても値段が変わります。
高価な塗料になるほど長持ちするので、次の塗装まで期間を空けたい方は、業者のスタッフに相談してみてくださいね。
(2)葺き替え
費用相場 | 50万円~200万円 |
---|---|
工事期間 | 4日間〜1週間 |
「葺き替え」とは、いまのスレート屋根をすべて新しいものに交換することです。
基本的には、屋根材(スレート)・棟板金(屋根の頂上部についているカバーのこと)・防水シート(屋根材の下に敷いてあるシート)を交換します。
ただし屋根の傷みや被害が大きい場合は、さらに下にある野地板(コンパネ)も交換します。
大掛かりな施工ですので、費用相場はざっくりと50万円以上となっています。
このとき、スレート屋根ではない屋根材…たとえばガルバリウム鋼板などに変えることもできます。
「ガルバリウム屋根」の特徴は、下の記事でくわしく紹介しています!
▶ガルバリウム屋根にするとこんな生活!メリット・デメリットも解説(別窓で開く)
(3)カバー工法とは?
費用相場 | 50万円~200万円 |
---|---|
工事期間 | 2週間〜1ヶ月間 |
カバー工法とは、傷んだ屋根の上に新しい屋根材をかぶせることです。
塗装で直せないほど屋根が劣化してしまったり、塗装よりも長持ちする工事をしたいときにオススメの屋根工事ですね。
経年劣化で色あせ、見た目が悪くなった屋根を新しい屋根材でカバーすることで、葺き替えと同じように見た目を一新することができます。
また、屋根が二重になると遮音性や断熱性も高くなり、光熱費の節約にもつながります。
費用相場はざっくりと70万円からとなっています。
ただしカバー工法の場合、新しい屋根の下に今の屋根がそのまま残るので、廃材やゴミが出ません。
つまり、撤去や廃材の処理費用がかからないため、屋根の面積や業者によっては葺き替えよりも見積もり額が安くなるケースもあるんです。
カバー工法の注意点としては、今の屋根に新しい屋根がプラスされるので、その分屋根が重くなります。
日本住宅は耐えられる屋根の重量(耐重量)が決まっていますので、自分の家の耐重量を把握して、カバー工法で重さが変わっても潰れる心配がないかどうか、しっかりと確認しましょう。
また、凸凹のある波形スレートや野地板の劣化が激しい屋根はカバー工法を断られることがあります。
こちらもあわせて覚えておいてくださいね。
以上、スレート屋根の修理方法と費用相場でした。
スレート屋根を安く修理するコツ
台風、暴風雨、大雪、強風など、自然災害でスレート屋根が壊れた場合、火災保険が適用できる場合があります。
詳しくは下の記事をご覧ください!
前のトピックでお伝えしたとおり、スレート屋根は瓦やガルバリウムに比べて施工がしやすいというメリットがあります。
しかし、だからこそ「パパっと早く済ませよう」と雑な施工をする悪徳業者も、残念ながら存在するんです…。
とくに多いのが、板金や釘の施工ミス。
建設時の施工ミスが原因で雨漏りが始まるケース、実はとっても多いんです。
スレート屋根は、設置から10年経ったら点検や修理が必要と言われています。
「うちの屋根、雨漏りしてるみたい。大丈夫かな…?」と思ったら、スレート屋根の雨漏りを数多く解決した実績をもつみんなの雨漏り修理屋さんにご相談ください!
雨漏りの再発や修理を避けるには、アフター保証つきの業者に依頼するのがオススメです。
私たちの雨漏り修理では、工事が終わったあとに選べる3種類のアフター保証をお付けしています!
保証があれば、施工不良による雨漏りの再発とは一切無縁です。
もし万が一、工事のあとに屋根のトラブルが再発しても、保証期間内ならいつでもお伺いいたします。
屋根の雨漏りでお困りの方は、下記の窓口からお気軽にお問い合わせくださいね。
▼年中無休7:00〜22:00受付の電話番号はこちら
0120-610-413
▼翌営業日の24時間以内にお返事するメールフォームはこちら
次のトピックでは、私が担当させていただいたスレート屋根のお問い合わせでとくに多い雨漏りの原因を8つご紹介します。
スレート屋根の雨漏りの原因8つ
スレート屋根は値段の割に持ちがいい屋根材ですが、年月が経つにつれて、どうしてもほころびが出てきます。
このトピックでは、私が担当させていただいたスレート屋根の雨漏り修理でとくに多かった原因を、8つ厳選してご紹介します!
雨漏りが起こる仕組みをまとめた図解もセットで掲載しますので、ぜひ見てみてくださいね。
まずは「(1)クギ穴の広がり」から、さっそくまいりましょう!
(1)クギ穴の広がり
スレート屋根は、何枚ものスレート(屋根材)を重ねて1枚の板状にしています。
それぞれのスレートを屋根に固定するためにクギを打つのですが……、実はそのクギの穴が広がってしまい、雨水が浸入するケースがとても多いんです。
なぜクギ穴が広がってしまうのでしょうか?
その理由は、「葺き足調整」と呼ばれる屋根工事が関係しています。
スレート屋根の工事では、それぞれのスレート同士がズレたり、スキマができないようにピッタリと敷き詰める必要があります。
しかしスレートにクギ打ちすると、手作業のためわずか1〜3ミリほどのズレができてしまうんです。
このズレをなくすために、スレートを金槌などでたたいてズレを埋める工程が存在するのですが……。
板をたたくとクギが押されるので、クギが曲がったり、クギの穴が広がりやすいというデメリットもあるんですよね。
クギは屋根材の下の防水シート(ルーフィング)や野地板まで刺さっています。
なので、そのクギ穴のスキマから野地板まで雨水が浸入してしまうんです。
これが雨漏りの原因の1つ目になります。
続いて、スレートの浮きについて。
(2)スレートの浮き
スレートは、10~15年ほどで劣化がはじまります。
日光・紫外線・雨風などにさらされると、温度差によってスレート自体が縮んでしまうんです。
そうして徐々に劣化したスレートが、強風や振動のタイミングで少しずつ浮いたりズレたりしてきます。
この浮きやズレのスキマが雨漏りの原因になります。
台風や突風などの強い風がスキマに入り込み、スレートが壊れることもありますので、「うちの屋根、古くなってきたな」「もしかして、これって雨漏りかかな?」と思ったら、点検を考えてみてください。
続いて、棟板金の劣化について。
(3)棟板金の劣化
スレート屋根の頂上部にあるカバーのことを、棟板金(むねばんきん)と呼びます。
屋根の面と面の境目の、山の部分にかぶせてある金属の板ですね。
棟板金はクギで屋根に留めてありますが、風の影響を強く受ける部分でもあるで、クギが浮いたり抜けてしまうことがあります。
このようなクギのゆるみが雨水の侵入や、棟板金の落下につながります。
棟板金が浮いたスキマから雨水が下地や屋内に浸入すると、棟板金が色あせたり、水分によるサビが始まります。
もちろん早めに見つけられれば、部分的な塗装で済む可能性が高いです!
次は、経年劣化による雨漏りの事例を見てみましょう。
(4)経年劣化による塗装の剥がれやサビ
経年劣化によって、スレートの表面の塗装が剥がれたりサビが始まります。
塗装が剥げると見た目が汚くなるだけでなく、防水性が落ち、雨漏りしやすくなってしまいます。
そんなときは、屋根修理業者に再塗装を依頼しましょう!
塗装の手順ですが、まず高圧洗浄機などで古い塗装を取り除きます。
その後、傷んだところを入念に塗り直していきます。
このとき、塗料によって費用や持ちが異なります。
種類 | ウレタン系塗料 | シリコン系塗料 | フッ素系塗料 |
---|---|---|---|
費用相場 | 1,500~2,000円/㎡ | 1,800~2,200円/㎡ | 3,300~4,500円/㎡ |
持ち | 5~7年 | 7~12年 | 15〜20年 |
塗装をすると、ある程度屋根を長持ちさせることができます。
しかしすでに劣化が進んでいるスレート屋根の場合、塗装をしてもすぐに塗料が剥がれてしまい、再塗装の意味がなくなってしまいますので注意しましょう。
知っておいていただきたいのが、スレートのようにセメントが使われている屋根材は、酸に弱いということ。
酸性雨という言葉のとおり、雨には酸が含まれていますよね。
スレート屋根はこの「酸」により、最後に塗装してから15年を過ぎたあたりから塗膜が劣化して剥げてきます。
やっかいなのが、剥げた部分から雨水や胞子が侵入し、苔やカビが生える点なんです…。
このようなときは屋根の葺き直しが必要になります。
屋根の修理士と一緒に家の状態を見て、ベストな方法を考えていきましょう。
次に、コーキングの剥がれをご紹介します。
(5)コーキングの剥がれ
屋根と壁のスキマをふさいだり、部材をつなぐ役割を持つコーキング剤。
そのコーキング剤が劣化したり剥がれたりすると、そこからスキマができてしまい、隙間から雨水が侵入します。
これが雨漏りの原因になります。
経年劣化以外にも、台風、暴風雨、強風、地震などの自然災害が原因で剥がれることもあります。
(6)谷樋の不具合
谷樋(たにどい)とは、屋根と屋根が合わさる「谷」部分の雨樋のことで、雨水を下に流すための排水経路として設計されています。
谷樋には板金が使われているのですが、板金には雨や雪が集中するので痛みやすく、雨漏りしやすい箇所なんです。
また、昔の板金には銅が使われていました。
銅板は長いあいだ雨水や滴があたると、穴が開くことがあるので要注意です。
屋根修理の際に、谷樋を新しいものに交換してもらいましょう。
次に、業者による施工不良についてお伝えします。
(7)施工不良
家を建てたりリフォームをしたときに、運悪く手抜き工事にあたってしまった…。
このような業者の不手際による施工不良が、雨漏りの原因になるケース、結構多いんです。
よくあるのが、屋根の勾配の設計ミスです。
屋根がどのくらいの角度で傾いているかを表す傾斜の度合いが、雨漏りにも影響するって知ってましたか?
どういうことかというと、たとえばスレート屋根には、原則として3/10(3寸)以上の勾配が必要とされています。
しかし知識や経験のない業者は、この勾配を無視して工事してしまうんですね。
新築やリフォームの際には、業者選びにも注意してみてください!
最後に、スレートのヒビ割れをご紹介します。
(8)スレートのヒビ割れ
これは1枚1枚のスレートにヒビが入り、そこから雨水が侵入してしまうケースです。
代表的なヒビ割れの原因は、以下の4つです。
- 塗装の剥がれ
- 急な乾燥や凍結
- 人間の踏みつけ
- 経年劣化
スレート屋根には「ヘアークラック」という細かいヒビが入りやすく、これを見つけられるかどうかも修理士の実力が試されるポイントです。
スレート屋根のヒビ割れは、雨漏り修理において非常に重要な部分なので、この次のトピックでくわしくお話しします!
【割れ/欠け/ヒビ】3タイプのスレート補修方法
ここでは、私たちプロの修理士が行うスレート屋根の補修方法を見ていきましょう。
とくに多いケースが、次の3パターンです。
順番にご紹介しますね。
(1)割れたスレートの補修方法
スレート屋根のヒビ補修には、ルーフキーパーと呼ばれる変成シリコンを使います。
補修の手順は以下の通りです。
- ヒビが入った表部分の汚れやホコリをキレイに取り除く
- ヒビを中心に1センチほどの幅になるように、マスキングテープを貼る
- ヒビの部分にルーフキーパーを塗る
- ルーフキーパーの厚さが3ミリ程度になるように、ヘラでなじませる
- マスキングテープを剥がす
※場合によっては、ヒビの両側にある屋根材の重なった部分(ヒビ割れているスレートの下)に、補強のためのルーフキーパーを入れることもあります。
続いて、欠けてしまったスレート屋根の補修について。
(2)スレートの欠けと補修方法
台風や経年劣化、踏み割れにより、スレート屋根が部分的に欠けてしまった…。
このようなときには、新しい屋根材のはめ込みが必要です。
手順は以下の通りです。
- 欠け跡に残っている破片、下地のホコリや汚れをキレイに取り除く
- 欠けた部分に、同じ大きさ・同じ形の新しい屋根材を取り付ける
私たちは専用の接着剤またはルーフキーパーを使って、欠けた部分にスキマができないようキッチリとはめこみます!
(3)ヘアークラックの補修方法
最後に、ヘアーラックと呼ばれる細かいヒビの補修について。
このようなヒビの補修には専用の接着剤を使用するのですが、ヒビの方向が縦か横かによって接着剤を塗る箇所が異なります。
- 縦方向のヘアークラック→スレート裏面の左側、右側両方に接着剤を塗る
- 横方向のヘアークラック→スレート裏面の下に接着剤を塗る
屋根の谷になっている部分にヒビが入ってしまうこともあります。谷の部分はスレートの重なりが少なかったり、スキマができやすい箇所ですので、補強のために接着剤を多めに使うのがポイントです。
スレート屋根の補修事例
割れた瓦屋根の修理事例
2021年11月11日
スレート屋根に登って点検したところ、髪の毛ほどの細いヒビ割れを発見しました。
灰色のスレート屋根に合わせて灰色のコーキング剤を使用し、目立たないようしっかりと補修いたしました。
相談者様のご自宅は築21年、雨漏りはしていませんでした。
早めにご相談いただいたことで、大きな屋根トラブルを防ぐことができてよかったです。
スレート屋根の修理見積もり事例(火災保険適用)
2022年1月31日
戸建住宅のスレート屋根修理にお伺いしました。
見てみると、大きめの亀裂が入っているスレート瓦が複数あったため、各場所の部分修理でお見積もりをお出しました。
当社では、屋根の葺き替えなどの全体修理だけでなく、「壊れたところだけ」の部分修理も可能です。
割れたスレート屋根の修理事例
2022年1月19日
ご自のスレート屋根を拝見したところ、8枚ほど割れや欠けが見つかったため、コーキングによる接着で対応いたしました。
スレートの色と近いグレーのコーキング剤を使用したため、目立たず施工できました。
今回のように、細かいヒビ割れが複数箇所ある場合も、くまなく見つけて部分修理で対応いたします。
まとめ
この記事では、スレート屋根の特徴から修理方法までを紹介してきました。
瓦屋根やガルバリウム屋根など他の屋根材と比べて、バランスの良さが魅力のスレート屋根。
これからスレート屋根のリフォームや修理を検討している方にとって、この記事が少しでもお役に立てれば嬉しいです。
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