瓦屋根の種類・特徴・メリット・デメリット、効果的な台風対策

「家の屋根を何にするか迷う…瓦屋根って他の屋根よりいいのかな?」
「瓦屋根は台風に弱いって聞くけど本当?」
「瓦屋根の特徴や、生活するうえでの注意点を知りたい!」
代表的な日本家屋と言えば、瓦屋根ですよね。
最近ではスレート屋根やガルバリウム鋼板のような「平たい屋根」が増えてきて、昔ながらの「瓦屋根」を新築で見る機会は少なくなりました。
新居の屋根やリフォームの葺き替えの際に、どんな屋根にしようか迷っている方も多いのではないでしょうか。
瓦屋根はとにかく耐久性に優れ、50年以上長持ちするものもあるんです。
デメリットとして、よく台風に弱いと言われる瓦屋根ですが、瓦選びや工法を工夫すると、台風に強くなると知っていましたか?
今回の記事では、そんな瓦屋根の特徴を、他の屋根材と比較しながらみていきましょう!
お伝えする内容は次の3つです。
- 瓦屋根の特徴と種類
- 瓦屋根のメリット・デメリット
- 瓦屋根を台風から守る方法
現在、屋根のリフォームを検討中の方や、現在瓦屋根のお家に住んでいる方にとって、必見の内容となっております。
お届けするのは、13年以上瓦屋根の修理を行ってきた修理士の松坂が担当させていただきます。
瓦屋根の特徴と種類は?
世の中にはさまざまな屋根材が存在しますが、中でも瓦屋根は伝統ある日本家屋の屋根というイメージがありますよね。
現在住んでいるお家、もしくは、祖父母の家や実家が瓦屋根だったという方は多いと思います。
そんな瓦屋根の特徴は、なんといっても寿命の長さです。
しっかりとメンテナンスをすれば、50年以上持つといわれています。
このメンテナンスですが、瓦屋根の下に入っているルーフィング(防水シート)が20年しか持たないため、瓦の状態にかかわらず20年に1度のメンテナンスが必要なんですよね。
つまり、
一見同じに見える瓦屋根ですが、実はつくられている素材によってリフォーム時の価格が違うんです。
瓦屋根の種類と値段を見てみましょう。
瓦屋根の種類 | |
---|---|
陶器瓦 | 素焼瓦 |
|
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7,000~12,000円/㎡ |
5,000~9,000円/㎡ |
瓦の表面に釉薬(ゆうやく)を塗ってから焼き上げたもので、釉薬瓦とも呼ばれます。もっともオーソドックスな屋根瓦です。 | 素焼瓦は焼き物の自然な風合いを生かした赤瓦で、洋風のお家でよく使われています。 |
瓦屋根の種類 | |
いぶし瓦 | セメント瓦 |
|
|
8,000~13,000円/㎡ |
5,000~10,000円/㎡ |
瓦を焼き上げたあとに煙でいぶし、表面に炭素の膜を施した銀色の瓦のことです。 | 焼き物ではないセメント瓦は、粘土でできたスレート屋根の仲間でもあります。陶器瓦と比べて色があせやすいので、定期的な塗装が必要です。 |
瓦屋根の種類 | |
本瓦 | 銅板瓦 |
|
|
50,000円〜/㎡ |
16,000円~2万円/㎡ |
主にお寺や武家屋敷で見られる、高級な屋根瓦です。 | 神社仏閣に使われる、銅でできた高級な屋根材のことです。 |
あなたの家の屋根はどのタイプでしたか?
瓦屋根の点検や修理をお願いしたいけど、うちの瓦がどんな種類なのかわからない…
このような方は、1度プロの業者に現地調査に来てもらってください。
ベテランの修理士があなたの屋根の状態を確認し、壊れているところはないか見てくれますよ!
瓦屋根のメリット・デメリットは?他の屋根材との違い
軽量な粘土できたスレート屋根や、金属製のガルバリウム屋根など、最近の戸建住宅では瓦屋根以外にもさまざまな屋根材が使われています。
ここでは、ほかの屋根と比較したときの瓦屋根のメリットとデメリットを見ていきましょう。
メリット | 他の屋根材と比べて寿命が長い(50年以上長持ちするものも) |
---|---|
屋根の構造上、防水性が高い | |
長期間にわたって色あせない | |
1度焼いてあるので、スレートよりも燃えにくい | |
デメリット | 重量があるので、台風や地震などの自然災害に弱い |
台風や地震のときに、瓦が落ちて割れるなどの危険性がある | |
工事や修理の値段が高め |
へえ、瓦屋根って自然災害に弱いんだ…。
次の台風で瓦が壊れたらイヤだし、何か対策できないかな?
たしかに瓦屋根には、他の屋根材と比べて台風や地震に弱いというデメリットがあります。しかし、瓦選びや施工方法を工夫することでカバーできるんです!
次のトピックでは、大切な瓦屋根を台風と地震から守る方法をお伝えします。
まずは「台風から守る方法」を見ていきましょう。
瓦屋根を台風から守るには?「防災瓦」のメリット
台風が発生すると、屋根瓦が剥がれ、あちこちに飛んでいってしまいます。 これを未然に防げるのが「防災瓦」です。
引用:株式会社鶴弥|製品紹介
従来の屋根瓦と違い、瓦の端にアーム・ロック機能がついていることがわかりますね。 この機能により、瓦どうしが強く固定され、台風で飛ばされにくくなるのです。
さらに、防災瓦のメリットはそれだけではありません。
次の表を見てみてください。
防災瓦のメリット | 軽い(従来の土葺き工法と比べて、屋根重量が約半分) |
---|---|
風で飛ばない(瓦どうしがしっかり結束するロック構造) | |
約30年メンテナンス不要(表面が塗料着色ではないため、塗り替えの必要がなく、コスパがいい) | |
防水性が高い(雨水が流れ落ちる仕組みで、湿気や結露に強い) | |
遮音性・断熱性が高い(粘土瓦の音吸収効果で、激しい雨音をシャットアウト) |
デメリットは、「初期費用がかかる」「割れることがある」「スレートや金属屋根と比べると、どうしても重い」など、瓦屋根全体に言える内容となっています。
うちの瓦屋根が台風で飛ばされたとき、ご近所に被害が出たんじゃないかって、すごくハラハラしたわ。次は防災瓦を試してみてもいいかも…。
これから先、瓦屋根の葺き替えや部分的な交換を検討している人は、ぜひ防災瓦を検討してみてくださいね。
続いては、「瓦屋根を地震から守る方法」を見てみましょう。
瓦屋根を地震から守るには?ポイントは「取り付け方法」
瓦屋根のデメリットの1つに、「自然災害時の耐久性の低さ」があるとお伝えしましたよね。
実は施工時の取り付け方法を工夫することで、地震の耐久性をグンと上げることができるんです!
瓦屋根の取り付け方法は、時代とともに進化しています。
昔は瓦の下に土を敷いていましたが、その後は防水シートを敷く工法に変わり、さらには、科学的なデータにもとづいた、地震に強い「ガイドライン工法」も出てきました。
ここでは代表的な瓦屋根の取り付け方法を3種類紹介し、耐久性の観点からどれが1番オススメかをお伝えします。
1. 湿式工法(土葺き工法)
「湿式工法」とは、葺き土の上に瓦をのせる工法のことです。
土と瓦がくっついて瓦が落ちにくくなる効果があります。
ただし、経年劣化するのでこまめなメンテナンスが必要になるのがネックです!
土の文だけ屋根の重量も増えてしまうため、現在ではほぼ行われない工法ですね。
2. 乾式工法(引掛け桟瓦葺き工法)
「乾式工法」とは、桟木(さんぎ)と呼ばれる細くて小さい木材に瓦の裏のツメを引っかけて、クギで固定する工法のことです。
防水シートを敷いて雨水の浸入を防ぎ、クギ打ちによって瓦の落下を防ぎます。
屋根を軽量化できる方法で、全国的に普及しています。現在もっとも一般的な工法です。
3. ガイドライン工法
「ガイドライン工法」とは、一般社団法人全日本瓦工事業連盟が定めた工法です。
台風や地震などの自然災害にも耐えられるように、科学的なデータをもとに設計されました。
震度7の巨大地震にも耐えられる実験結果が出ているので、「これから大きな地震が起きたとき、どうなるか不安…」という方も安心です。
1番オススメな取り付け方法は?
「結局、3種類のうちどの取り付け方法が1番いいの?」
これからの瓦屋根の工法でオススメなのは、もっとも新しい「ガイドライン工法」ですね。
ガイドライン工法で施工された屋根は、上の2つに比べて耐久性が明らかに強いです。
ただし、あなたが希望していないのに「絶対にガイドライン工法にしないといけませんよ」と強く勧めてくる業者には注意してください!
ガイドライン工法はあくまで施工モデルの1つであり、強制力はありません。
続いては、ガイドライン工法以外で大切な瓦屋根の耐久性を上げる方法についてお伝えします。
瓦屋根の耐久性を上げるには?肝心なのは「棟瓦」
瓦屋根の耐震性を決定づけるのは、「棟瓦(むねがわら)」と呼ばれる屋根の頂上部です。
強い雨や台風で棟が大きく歪んでしまうと、棟瓦(むねがわら)を解体して新しく積み直す必要があります。
このような工事を「棟の取り直し工事」と呼ぶのですが、この棟の取り直し工事の際に、耐震工事を同時にやることもできるんです。
とくに日本は、地震や台風の多い国ですよね。
「耐震化工事」をやっておくことで、震災への備えになるのでオススメですよ!
瓦屋根の耐震化工事には、大きくわけて2種類あります。
1. のし積み工法
「のし積み工法」とは、いまの瓦をそのまま再利用する施工方法のことです。
カンタンに説明すると、1度瓦を取って、下地に耐震用の金具と鉄筋を仕込みます。
最後に既存の瓦をかぶせ直すので、はたから見ると違いがわかりませんが、骨組みがしっかりするのでとても地震に強い屋根になります。
2. 一本伏せ工法
対して「一本伏せ工法」では、7寸丸という特殊な棟瓦を使用します。
手順としては、まず瓦を取り、防腐処理済みの垂木を置いて、棟瓦をかぶせてステンレスのビスで固定します。
いずれも表面上の修理ではなく、しっかりと下地の補強をする工事です。
屋根全体の修理になりますので、費用も70万円以上かかりますが、その分壊れにくく長持ちする屋根に仕上がりますので、今後のことを考える方にオススメです。
「せっかく工事してもらうなら、台風に強い瓦屋根にしたいなあ」
そこで問題になってくるのが、どの業者に工事を頼めばいいのかということですよね。
大掛かりな工事になりますので、信頼できる業者選びは非常に重要です。
ということで、次は瓦屋根の修理業者を選ぶときのポイントをお話します!
瓦屋根修理の業者の選び方
「瓦屋根の特徴や葺き替え方法はわかったけど…どんな業者にお願いすればいいの?」
瓦屋根の点検や修理を頼めるお店は、次の3つです。
- ハウスメーカー
- リフォーム店
- 屋根の修理業者
あなたの状況によって、依頼してほしいお店が変わりますので注意してください。
くわしくは、以下の状況を参照してください。
- 「築10年以内のお家に住んでいて、瓦屋根を点検・修理してほしい」
⇛ハウスメーカーに依頼する(住宅瑕疵担保責任保険によって、無料で修理してもらえる可能性があります)
- 「築10年以上のお家に住んでいて、壁や屋根をセットで塗装したい・全面修理したい」
⇛リフォーム店に依頼する(屋根以外もまとめて修理することで、割引になる可能性があります)
- 「築10年以上のお家に住んでいて、屋根だけを点検してほしい・壊れた箇所だけ直してほしい」
⇛屋根修理業者に依頼する(部分修理に対応している業者なら、費用を押さえて修理してくれます)
ハウスメーカーは家を建てるときにお世話になったお店、リフォーム店は地域で評判のいいお店に依頼するのが1番です。
しかし「3」の雨漏り修理業者となると、ネット上にたくさんの業者があって、どこに依頼すればいいかわからない…と迷ってしまう方が多いんですよね。
というわけで、ここからは雨漏り修理業者に依頼する際の判断基準をお伝えしたいと思います!
こんな業者に頼みたい!優良な修理業者のポイント
- 現地調査をしっかりしてくれる
- スタッフの印象がいい
- 修理が必要な箇所や、屋根の状況をしっかり説明してくれる
- こちらのスケジュールにあわせてくれる
お金に関するチェックポイントも見てみましょう。
料金に関するポイント
- 見積りの内訳をしっかり説明してくれる
- 再発時のアフター保証がついている
- お客の予算や希望をしっかり聞いて提案してくれる
- 大規模で金額の大きな修理を無理やりすすめてこない
以上、優良業者の選び方でした。
お伝えしたポイントをしっかりおさえて、信頼できる業者を選んでくださいね!
ここですこしだけ、私たちみんなの雨漏り修理屋さんの瓦屋根修理についてもご紹介します。
みんなの雨漏り修理屋さんでは、製造終了した屋根瓦の修理も承ります!
お伝えしたとおり、瓦屋根は30年以上長持ちすることもある屋根材です。
そのため、すでに廃盤になってしまった瓦も数多く存在します。
私たちのもとにも、「台風で屋根瓦が壊れてしまいました。ほかの業者に頼んだところ、取り扱いがないと断られてしまったのですが、大丈夫ですか?」
というお問い合わせがたくさん届きます。
屋根の1部分しか壊れていないのに、瓦の取り扱いがないせいで全面修理するしかない…なんてことになったら、お客さまもショックですよね。
そこで、私たちはガラス加工職人に個別で発注し、廃盤になった瓦を、1点もののガラスで再現する取り組みを行っています。
「えっ、ガラスの瓦?割れたりしないの?」と思うかもしれませんが、使う場所を区切ってしっかり固定すれば、まったく問題ありません。
中には形の違う瓦を無理やりはめ込む業者もいますが、かえって瓦が飛んで行く危険が上がってしまいますので危険です!
他の業者で断られてしまった…という方からのご相談も受け付けております。
昔ながらの瓦屋根のお家にお住まいの方は、私たちみんなの雨漏り修理屋さんにご相談ください!
雨漏り修理業者の選び方については「初めてでも失敗しない!屋根修理のコツ:費用から業者の選び方まで」にくわしく書いていますので、そちらも参考にしてくださいね。
瓦屋根は定期的な点検が大切!
台風や地震といった自然災害は、いつも予告なしで突然起こるものですよね。
壊れた屋根を「まだいいか…」と放置していると、雨漏りが深刻化して、家自体がダメになってしまうこともあります。
結構な数の家がまだ台風被害を受けたままです。瓦職人が少なくて手がまわらないらしいです。 pic.twitter.com/AA7gE7aWJB
— どんまい🎵ただおっちゃん♪ (@tadayanooo9) December 21, 2018
こうした被害は、事前の点検で予防することができるんです。
人間の健康診断と同じで、築10年が過ぎた瓦屋根は、定期的に専門家にチェックしてもらってくださいね!
もし瓦屋根が台風で傷んでしまったら?
台風のあと、部分的にはがれてしまった屋根瓦。
「まあいいか」と修理をせずに放っておくと、屋根が崩壊することもあります…!
実は私も1度だけ、屋根が崩れ落ちた現場を担当したことがあります(築40年近い、2階建ての木造住宅でした)。
ここまでいくと屋根の修理というより、建て替え・リフォームが必要なレベルの被害ですね。
100万〜200万円はかかります(あるいはそれ以上…)。
瓦屋根の雨漏りトラブルは、この1歩手前の状態になることは珍しくありません。
今週は雨が続くみたい。熊本地震の時に屋根瓦がズレてたのを気付かずにそのままにしていたら、雨漏りが原因で3ヶ月後に天井が落ちました。今は危ないから無理だけど、余震がある程度おさまって、安全な状況で屋根裏を確認できるようになったら点検するのもありかなと思います。 pic.twitter.com/l3uSPTuaLA
— バンブー (@picopicobamboo) June 19, 2018
「修理したけど、じつは正しく直っていなかった」
「雨漏り被害はつづいていた…」
ということもよくあります。
その結果、大きな被害になってしまうケースも見逃せません。
こちらのページの応急処置で二次被害を防ぎつつ、すみやかに屋根の修理業者を手配しましょう。
まとめ
最後に、この記事のまとめをお伝えしますね。
「台風に強い瓦屋根にしたい」
「瓦屋根を長持ちさせたい」
と思ったら、次の3つのポイントを押さえておきましょう。
- 取り付け方法を確認する
- 定期的な点検で家の健康を守る
- 台風の被害が出てしまったら、すぐに業者へ相談
みんなの雨漏り修理屋さんでは、無料で雨漏りの現地調査や、屋根の葺き替えに関するご相談を受け付けています。
瓦屋根の修理は高額になりがちですが、当社では部分修理でこわれたところだけ直しますので、ハウスメーカーやリフォーム店よりも安く修理できますよ!
そのほうがお財布にもやさしいですし、速やかな修理は二次被害を防ぐことにもつながります。
割れた瓦屋根の修理事例
2022年3月4日
割れてしまった瓦屋根の修理にお伺いしました。
灰色の陶器瓦に合わせて灰色のコーキング剤を使用し、目立たないようしっかりと補修いたしました。
瓦屋根の修理事例
2021年9月3日
戸建住宅の雨漏りの点検・修理にお伺いしました。
大棟瓦、棟瓦に経年劣化によるズレが見つかったため、位置を調整して固定し直し、コーキング修理でスキマを塞ぎしました。
地震による瓦屋根欠落の修理事例
2022年3月17日
「地震により、瓦屋根が破損し、欠落してしまった」とお電話をいただいて駆けつけました。
割れた破片を改修し、欠落した箇所の瓦1枚を新しいものに交換いたしました。
また、ほかにも3枚ほど欠落寸前の瓦があったため、シールにて補強いたしました。
さらに、今後の瓦落下防止のため、ラバーロック工法(瓦同士をコーキングで固定し、地震に強くする工法)を行いました。
当社の施工事例を3つご紹介しました。
「台風が原因で瓦屋根が飛ばされた!」という方は、こちらの記事もあわせてご覧ください。
▶台風で瓦屋根が飛ばされ、落ちてしまいました。どうしたらいいですか?
瓦屋根の葺き替え・修理をご検討の方は、お気軽にご相談くださいね。
それでは、最後まで読んでくださってありがとうございました!