みんなの雨漏り修理屋さん

どんな雨漏りも対応します。お気軽にご相談ください

軒天の雨漏り・黒ずみ・剥がれの対処法と正しいメンテナンス方法を専門家が解説

ツイッターボタン フェイスブックボタン
2024.7.2 更新 雨漏り修理の専門家が丁寧に教えます!
軒天の雨漏り・黒ずみ・剥がれの対処法と正しいメンテナンス方法を専門家が解説

「家の外や窓から見上げると、軒の裏が剥がれているのが気になる」
「新築当初よりも軒天の汚れや黒ずみが目立つようになったけれど、これって雨漏り?」

軒天からの雨漏りにお悩みの方は多いです。

軒天は、下からの雨風の吹き上がりによって傷みやすく、雨染みやカビ、剥がれなどの不具合が見られることがあります。

この記事では、建物の中でも重要な役割を持つ軒天の劣化症状と、修理方法、放置した場合の注意点について解説します。

【この記事を読んでわかること】

それではまいります。

▶︎みんなの雨漏り修理屋さんは、雨漏り修理を承っています。放置すると雨漏りの原因にもなる外壁の不具合は、ぜひTOPページからお気軽にお問い合わせください!

無料調査・お見積もり
放置すると怖い雨漏りの原因をプロが調査し、
ご予算にあわせた修理プランをご提示します。
\こわれた場所だけピタリと修理!まずはご相談から/
お急ぎの方向け電話相談窓口 7時〜22時
0120-610-413
メールで相談する 雨漏り修理・サービスの流れ

軒天とは「軒先が外壁から突き出た下側の部分」

「軒天」とは、屋根の下側、軒先が外壁から突き出た部分のことです。
ベランダやバルコニーの床面の裏側部分も、すべて軒天です。
軒天ではなく、「軒裏天井」「軒天井」と呼ばれることもあります。

軒天は家の見映えを保ち、屋根内部の野地板(のじいた)や垂木(たるき)などの構造を隠しています。
和風住宅の中には、軒天を貼り付けたあと、化粧垂木(けしょうたるき)を取り付け、意匠性を高めているおうちもあります。

軒天が持つ4つの役割

軒天とは「軒先が外壁から突き出た下側の部分」

戸建住宅の中でも、軒天は非常に大切な役割を4つ持っています。

1. 雨風・日差しから建物を守る役割

軒には、雨水や強風、強い日差しと紫外線から建物を守る役割があります。
実は戸建住宅の屋根は、上からの風や雨には強いものの、下から吹き込む風や雨には弱いという性質を持っています。

さらに日差しの強い日には、地面からの照り返しで建物が熱くなり、屋根の裏側の構造部が傷みやすくなります。

そこで、軒の中の大切な構造部を隠すために、軒天で覆い隠す必要があるのです。

2. 軒先を美しく見せる役割

軒天はもともと、外観のデザイン性を向上させる「見映え」のために設けられたものです。
屋根内部の野地板や垂木といった構造を隠し、守りながら美観を保つ役割を持っています。

最近では、リアルな木彫の軒天や、天井と地続きの素材の軒天など、デザイン性を追求したものも増えています。

3. 屋根裏換気の役割

換気口つきの軒天や、穴が空いている軒天は、屋根裏に溜まりがちな湿気を外に逃がし、内部結露を防ぐ役割を持っています。
湿気は建物の劣化の大きな原因のひとつです。

4. 火事を止める役割

たとえば火事で隣家から炎が上がったとき、軒天がないと屋根裏まで一気に燃え広がります。
そこで建築基準法上、「準防火地域の木造建築物において、炎症のおそれのある部分の軒天」は防火構造としなければなりません。

軒天の劣化症状4つ

軒天の劣化でよくある症状を4つ紹介します。

1. 色褪せや汚れ(緊急度:中)

軒天は紫外線が当たりにくい場所ですが、照り返しなどで退色(色褪せ)が徐々に進みます。
築10年以上の建物では、排気ガスや雨水により、汚れが出始める頃です。
とくに仕上げが白色やクリーム色の軒天は汚れが目立ちます。

2. 剥がれ(緊急度:中)

軒天は、雨や風などの影響を受けて塗装が剥がれることがあります。
とくに台風などの強風時には、下から吹き上げる風によって軒天が剥がれて、雨漏りしてしまうおそれがあります。

3. 雨染み・苔・黒ずみ(緊急度:高)

屋根の雨漏りや軒天の内側に水が染み込むと、軒天の表面に染みとなって現れます。
屋根の雨漏りにより、軒天に雨染みができることもあります。
そして、漆喰の剥がれや化粧シートの剥離が見られたり、藻やカビが発生することもあります。

4. 破損、穴開き、崩落(緊急度:高)

軒天は、強い雨風や軒裏の結露、地面の照り返しに晒されることで、破損や穴開き、ときには崩落のおそれがあります。

軒天の劣化は「屋根や雨樋が原因だった」という場合も

ここまで軒天の劣化の原因について紹介してきましたが、軒天の劣化は副次的なものであり、「そもそも屋根や雨樋に不具合が出ていた」というケースもあります。

台風などの豪雨時に、雨水が軒樋の排水能力を超えた場合には、雨水があふれることがあります。
樋や集水器にゴミなどが詰まっている場合も同様に、あふれた雨水が軒天に浸水し、雨漏りにつながることもあります。

対処法としては、ゴミの詰まりを定期的に取り除くこと。
軒天に鳥が巣をつくったときには、定期的な点検をすることです。

軒天を補修しなかった場合のリスク

築30年以上のおうちでは、長年雨風にさらされた軒天の不具合に気付かなかったり、劣化した軒天を放置してしまうこともあるでしょう。
しかし劣化した軒天を放置すると、そこから雨水やカビが広がり、家全体の寿命を縮めることになるため注意が必要です。

ひどいときには、軒天が剥がれた場所から小動物や蜂が入り込み、巣をつくることも。
軒天の耐用年数は約10年と言われています。
破損の大小にかかわらず、早めに相談することをオススメします。

軒天修理・リフォーム3つの方法

みんなの雨漏り修理屋さんの、軒天の修理・リフォームの方法は、大きくわけて3つあります。

1. 塗装

軒天の傷みが軽度の場合は、塗装によるメンテナンスが可能です。

  1. サンドペーパーなどで汚れや既存の塗膜、不具合部分を取り除く
  2. 軒天を固定している釘や鉄の部分に、錆止めを塗る
  3. シーラーなどの下塗りをする
  4. 上塗り塗料を2回塗る

軒は面積が狭く、部分的に複雑な構造をしているので、ローラーと刷毛を使ってていねいに塗装します。

軒天塗装の人気色は「白色」

意外と気になるのが、塗料の色です。
戸建住宅では、軒天を白色で塗装することが多いですよね。
家の雰囲気を明るく仕上げるためです。

一方で、「住宅全体に重厚感を持たせたい」「スタイリッシュでメリハリのある色にしたい」という場合は、暗い色で仕上げることも可能です。
また、木目調を活かしたい場合には、クリア塗装(透明色)で仕上げます。
お気軽にご相談くださいね。

2. 重ね張り(カバー工法)

ベニヤの剥がれなど、軒天の劣化が軽度であれば、張り替えではなく重ね張り(カバー工法)を選択することも可能です。
重ね張りは、既存の軒天を剥がすことなく、その上に新しい板を貼り付けて施工します。

解体の手間がかからず、廃材も出ないため、短期間かつ予算を抑えることが可能です。

3. 張り替え

雨漏りを起こした軒天の下地にまで、カビや腐食が広がっている場合は、下地材を含めた「張り替え」をご提案します。
腐食した軒天材と下地木材は撤去し、新たに下地を組み直して、新しい軒天を張り替えます。

張り替え工事には足場が必要になりますが、被害箇所が一箇所だった場合、部分足場での補修も可能です。

軒天の種類は2種類

軒天のタイプは2つに分類されます。
「軒天ボード」「外壁一体型」です。
最近では、多くの戸建住宅が「軒天ボード」が採用されることが多いです。

モルタル仕上げの塗り壁などでは、外壁と軒天を同じ素材で仕上げる「外壁一体型」が採用されることもあります。

軒天の素材7つ

軒天の素材には、窯業系サイディングやケイカル板、合板のほか、金属などが使われていることもあります。順番に解説します。

1. 窯業系サイディングの軒天

一般的に外壁として用いられる窯業系サイディングは、軒天にも用いられます。
年数が経過すると、同じ模様・厚みのサイディングが製造停止になっていることがあるため注意が必要です。

2. ケイカル板の軒天

ケイカル板とはケイ酸カルシウム板のことで、湿気で寸法が変化したり反ったりすることが少なく、寸法安定性や耐久性・耐水性に優れています。

原料が無機質材なので、腐食する心配もありません。
デザインや色も豊富です。
板自体に色がついているカラーケイカル板や木目調のものもあります。

3. 合板・ベニヤ板(化粧合板)の軒天

合板(カラーベニヤ)は、木でできた素材です。
ケイカル板などに比べて耐火性や耐久性がやや劣るため、近年では軒天に使われることは少なくなりました。

とくに築30年前後のお家では軒天に合板が使われていることが多いです。
合板の表面は、塗装されている場合とシートが貼られている化粧合板の場合の両方があります。

4. スラグ石膏板(エクセルボード)の軒天

スラグ石膏板は、スラグという鉱石に石膏を混ぜてつくられた板です。
軒天に使われる素材の中でも比較的低コストな素材で、火事などの災害に強いというメリットがあります。
しかし長時間の高温や水に対しては少し弱いため、定期的なメンテナンスが必要です。

5. フレキシブルボードの軒天

フレキシブルボードは、セメントに繊維質を混ぜてつくられた素材です。
高い強度と遮音性能、火事の際に燃えにくいといったメリットがあります。
ケイカル板、スラグ石膏板よりも高額で、素材として重いというデメリットがあります。

6. 金属(スパンドレル、ガルバリウム鋼板)

金属製の軒天には、スパンドレルと呼ばれる仕上材があります。
金属の屋根・外壁のおうちや、ビルやマンションなど、比較的大きな建物の軒天仕上材として用いられます。

7. モルタルの軒天

モルタルは、砂、水、セメントを練り合わせてつくられた素材です。
ほとんどの軒天がボードですが、モルタル外壁のお家では、軒天も外壁と地続きのモルタルで仕上げることがあります。
ベニヤ板やラスカット板などの木材の上に、モルタルで塗装しています。

そもそも軒は必要?軒先のない「軒ゼロ住宅」のデメリット

最近では、箱型の「軒ゼロ住宅」が増えていますね。
外観にこだわったオシャレな箱型の住宅は、若い世代からも人気です。

しかし軒ゼロ住宅では、窓や外壁の性能を高めなければ、雨だれの汚れが目立ち、外壁の傷みも早くなります。
まったく同じ素材を使って、軒のある住宅と箱型住宅の両方をつくった場合、箱型住宅の外装の寿命は、軒のある住宅の約半分になっているでしょう。

もちろん、最近では高性能な外壁材や窓が増えているため、昔よりも家の持ちがよくなっていることも事実です。
これから家を建て替えたり、リフォームを検討する方は、軒のあるなしだけでなく、建材にも気を配ってみてくださいね。

【素材別】軒天の正しいメンテナンス方法

一般の方のメンテナンスでは、1年に1度、軒天の状態を目視で確認したり、雨樋の掃除を行う程度で大丈夫です。
屋根に上っての高所作業や塗装は危険ですので、プロの職人に任せてくださいね。
ここからは、私たちが行う素材ごとのメンテナンス方法を解説します。

1. 窯業系サイディングの軒天メンテナンス

窯業系サイディングの軒天のメンテナンスとは、定期的な塗装です。
屋根や外壁とあわせて塗装をすることにより、見た目が美しくなるだけでなく、耐久性が回復します。

外壁や屋根の再塗装では、劣化した塗膜を高圧洗浄で洗い流しますが、軒天は水が侵入する可能性が高いため、高圧洗浄は行いません。

  1. まず、ハケや雑巾、サンドペーパーなどで軒天表面の清掃を行います。既存塗膜の劣化部分を除去するためです。
  2. そして軒天を固定している周辺の鉄部に錆止め塗料を塗ります。
  3. 次に、塗装の密着性を高めるために下塗りを行います。
  4. そして、中塗りと上塗りを行います。
  5. 軒天の傷みが激しい場合は、傷んだ軒天を撤去して、下地を整えたのち、新しい軒天に張り替えます。
  6. 軒まわりでは、外壁防水シートを垂木の直下まで届くように張ります。
  7. 劣化がひどいときは、傷んだ軒天を撤去して、下地を整えたのちに新しい軒天に張り替えます。この作業で、既存塗膜の劣化部分を除去します。
  8. そして軒天を固定している周辺の鉄部に錆止め塗料を塗ります。
  9. 次に、塗装の密着性を高めるために下塗りを行います。

風で巻き上げられた雨水が軒天から侵入した際など、防水紙上端のすき間から内側に侵入するリスクを減らすためです。
軒天のメンテナンスは、屋根の工事とあわせて行うと、足場が共有できるため工事を行いやすくなります。

2. ケイカル板の軒天のメンテナンス

ケイカル板の軒天が劣化した場合は、板ごと交換します。
一部の板だけを取り替える場合、他の板との劣化程度の違いにより見栄えが悪くなるため、軒天全体を塗装します。

3. 合板の軒天のメンテナンス

合板の軒天の表面が退色している場合は、塗装を行います。
シートの剥がれがある場合は、劣化部分を中心に全体的にサンダー(研磨機)でシートを削ってから塗装を行います。

合板は、うすい黄の板を接着剤によって何枚も張り合わせた構造であるため、接着力が弱くなって剥がれる場合もあります。
このような場合は、新たな材料を既存の軒天の上から取り付ける方法もあります。

既存の軒天を撤去する必要がなく、新しい材料で覆うため、景観が美しくなるとともに、耐火性や耐久性が向上するでしょう。

4. モルタルの軒天のメンテナンス

モルタル仕上げの軒天は、経年劣化でヒビが入ったり、色褪せたりします。
そのため、シリコン系やウレタン系などの塗料で定期的な塗り直しが必要です。

流れとしては、プライマーなどの下塗りを行ったあと、主要となる塗料を塗布。
1度目の塗りが乾燥した後、再度塗料を塗布(2度塗り)して、完了となります。

軒天の修理リフォームにかかる費用はいくら?

軒天の修理リフォームにかかる費用は、面積や傷み具合によって変わりますが、軽度の場合はだいたい3万〜10万円の間で収まることが多いです。

軒天塗装の場合、費用は800〜2,000円/㎡が一般的です。
具体的には、ウレタン塗料は800円/㎡、シリコン塗料は1,000円/㎡、高性能なフッ素塗料は2,000円/㎡がめやすとなります。

2階の軒天を塗装したり張り替えたりする場合は、600〜1,000円/㎡ほどの足場代が必要になります。

軒天の雨漏りで火災保険が申請できるケースも

軒天の雨漏り修理で、火災保険を申請することも可能です。
申請できる条件としては、「3年以内に起きた自然災害」による雨漏りとなります。
ただし下のようなケースでは申請不可となります。

ただし例外もありますので、自宅の軒天が被害を受けてから3年以上が経っている場合でも、まずは業者に相談してみてくださいね。

軒天修理にかかる時間

軒天の修理にかかる時間は、応急処置や部分補修なら30分〜4時間、張り替えなどの全体修理なら2〜7日ほどとなります。

軒天の修理についてさらにくわしく知りたい方は、みんなの雨漏り修理屋さんにお気軽にお声がけくださいね。

まとめ

この記事では、軒天の雨漏り修理について紹介しました。
とくに重要なポイントは、次の3つでしたね。

  1. 軒天の役割は雨風から建物を守り、美観、屋根裏換気、火事を止めること
  2. 軒天のリフォーム方法は塗装、重ね張り、張り替え
  3. 軒天の部分修理の費用相場は3万〜10万円で、場合によっては火災保険の申請も可能

記事の中でもお伝えした通り、軒と軒天を設けることで、家の施工はかえって大変になります。
たとえば、下から吹き上がる風圧によって屋根が飛ばされないよう、きちんと構造計算をする必要がありますし、軒とケラバの取り合い部分の納まりも複雑になります。
その分、軒のない家よりも施工コストが少し割高になるのです。

ただしその分、軒があることでメリットも大きいです。
お家を長持ちさせるためにも、定期的な軒の点検・メンテナンスを行い、被害の小さいうちに対処してくださいね。

この記事を監修した雨漏り修理の専門家
松坂(まつざか)

一般的に「軒」は、壁面を雨水や紫外線から守る役割を持ちます。

たとえば1.2メートルほど軒を伸ばすと、その下の壁面は高さ約3メートルほど(約1階分)雨水から保護されると言われています。
つまり大屋根と下屋根で軒を伸ばすことにより、一棟まるごと壁面を雨水から保護できるのです。
これが雨仕舞いの基本的な考え方です。

紫外線対策の面でも、長い軒は大きな役割を果たします。
軒があることで、外壁に紫外線が当たる時間が減り、塗装やシーリング材の耐用年数が伸びるからです。
これにより、再塗装やシーリング材の打ち替え頻度が減ります。

住宅の外まわりで最初に劣化するのがシーリング材であり、雨水侵入の起点になることが多いのですが、長い軒はこうしたリスクも抑制してくれるのです。
そのような軒の裏側を支える「軒天」は、屋根の構造内部を保護する大切なパーツです。
もしも軒天に不具合が出た場合、私たち職人にお気軽にご相談くださいね。

ツイッターボタン フェイスブックボタン