屋根の葺き替えの費用や工期、メリットデメリットを解説
「屋根の張り替え?葺き替え?どれくらいの費用がかかるんだろう?」
「そもそも葺き替え工事ってどんなことをするんだろう?」
屋根は、雨風や日差しから家を守る役割を持っています。
常に外に晒される屋根は、少しずつ劣化していくもの。
そのため、定期的なメンテナンスが必要です。
傷みが少なければカンタンな補修工事で済むものの、時が経ち、複数の箇所が傷んでいたり、劣化や雨漏りが下地にまで進んでいたりする場合は、「葺き替え」というリフォームが必要になります。
どんな工事なのか、どれくらいの費用がかかるのか、どれくらいの工期なのか…。
知らないことが多く不安なあなたのために、この記事ではわたくし松坂が、屋根の葺き替え工事の前に知っておきたい事前知識をまるごとご紹介したいと思います!
お伝えする内容は以下の3つです。
- 葺き替え工事の工期や費用の目安
- 工事の内容
- メリットやデメリット
そのほか、あなたの屋根が本当に葺き替え工事が必要かどうかの判断ポイントや、優良な業者の選び方も紹介していきます。
屋根にまつわるお悩みを、私といっしょに解決していきましょう!
ご予算にあわせた修理プランをご提示します。
屋根の葺き替え工事とは何か
葺き替え工事を一言で言うと、『今ある屋根をすべて解体して、屋根全体をリフォームする工事』のことです。
屋根の表面だけでなく、下地もすべて新品に交換します。
ただし、建物の形状や状態によっては、一部分だけを交換する場合もあります。
すべて交換する「全面葺き替え工事」と、「部分葺き替え工事」の2種類があります。
屋根の葺き替えと部分修理の違い
部分修理とは、瓦1枚や屋根のヒビ割れ1箇所など、傷んだ部分のみを直す、比較的小さな工事です。
以下のようなケースでは、部分修理だけで済ませることが可能です。
- 屋根が1箇所だけヒビ割れたので補修する
- 屋根瓦が1枚だけ破損した・剥がれたので交換する
- 屋根がズレてスキマから雨水が入り込むので補修する
- 屋根が部分的に傷んだので塗装する
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(7時〜22時対応)
屋根の葺き替えと「カバー工法(重ね葺き)」の違い
カバー工法とは、今ある屋根の上に、防水シートと新しい屋根材をかぶせる工法のことです。
通常の葺き替えでは、既存の屋根を解体しますが、カバー工法では解体作業が不要です。
このためコストを抑えられるだけでなく、工期を短縮できるというメリットがあります。
屋根葺き替え工事 | カバー工法 | |
---|---|---|
工期(工事にかかる時間) | 7〜10日程度 | 5~7日程度 |
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ただしご自宅の屋根や下地の損傷が激しい場合、カバー工法を施工することができませんのでご了承ください。
また、カバー工法では既存の屋根に新しい屋根が加わるため、屋根が重くなり、耐震性が下がるおそれがあります。こちらもご了承ください。
屋根葺き替え工事のメリット・デメリット
ここでは葺き替え工事をすると何がいいのか、そのメリットや、工事をするときのデメリットについて解説していきます。
屋根葺き替え工事の3つのメリット
葺き替え工事のメリットは、大きくわけて3つあります。
(1)下地の補修点検もできる
屋根葺き替えでは、屋根材を全て取り外すので、下地材を目視で確認できます。
補修の必要な場所がわかりやすく、作業もしやすいのできちんと補修できます。
下地が補修されて屋根材が新しくなるので、寿命が長くなり、強風や大雨などに強くなります。
(2)自然災害の危険を防げる
屋根葺き替えのメリットは、自然災害への対策を強化できることです。
梅雨から秋にかけて、台風やゲリラ豪雨が続くと、雨漏りが発生することがあります。
建ててから何年も経ち、老朽化した屋根は、雨水の侵入を防げず、室内にダメージを広げてしまいます。
被害が広がった結果、屋根のリフォームだけでは済まなくなり、さらにコストがかかります。
このため、屋根の老朽化がひどくなる前に、軽量かつ丈夫な屋根材に葺き替えたり、カバー工法で防水性を高める必要があるのです。
たとえば、1枚1枚が重い瓦屋根から、スレート屋根に葺き替えるなど。
(3)耐震性の向上
新しい屋根材を今よりも軽い素材にすることで家の重心が下がり、耐震性を向上させられます。
屋根が軽くなると、基礎部分や柱に負担がかりにくくなり、地震に強い家になるのです。
屋根や家の寿命を伸ばし、地震に強い家になります。
屋根葺き替えのデメリット
一方、葺き替え工事のデメリットは2つあります。
(1)高額の費用がかかる
屋根葺き替えは比較的大きなリフォームとなるため、ある程度コストがかかります。
内訳としては、施工面積の広さ×基本料金。また、既存の屋根材の処分費などです。
しかし、葺き替えにより一時的にお金がかかったとしても、長期的に考えれば、あなたの家族と大切なお家を長持ちさせる、すばらしい決断をしと言えるでしょう。
(2)工期が長い
また、葺き替え工事は、部分修理に比べて工期が長いというデメリットもあります。
葺き替え工事は1〜2週間かかるため、その間は足場があるなど、日常生活にも影響が出ます。
時期によっては工事中に雨が降り、さらに工期が延長されることもあるため、工事の時期は業者とよく相談して決めましょう。
工期が長いため、生活に影響が出るのも頭に入れておいたほうがよさそうです。
あなたのおうちはどうですか?屋根葺き替えの必要性チェックリスト
さて、ここまで葺き替え工事について紹介してきましたが、「本当に葺き替えが必要なのだろうか…」と迷われている方も多いと思います。
そんなあなたのために、葺き替えが必要かを判断できるチェックリストを用意しました。
リストに3個以上のチェックがついたら、葺き替え工事が必要である可能性が高いです。ぜひ参考にしてみてください。
チェックの前に1点だけ!
もしもおうちの屋根が次のような状態だと、放っておけぼおくほど被害が大きくなってしまう可能性があります。
- ・風が強い日に屋根から変な音がする
- ・雨が降ると、家の至る所から雨漏りしている
その時はお早めに、みんなの雨漏り修理屋さんまでご相談ください。
無料で調査におうかがいします!
いかがでしたか?
もし葺き替えが必要そうなら、まずは業者に見積もりをとるところから始めてみましょう。
みんなの雨漏り修理屋さんでも葺き替えの依頼を受け付けています。ぜひお気軽にお電話ください。
ご予算にあわせた修理プランをご提示します。
逆に「うちは大丈夫そうかも…?」という方は、葺き替え工事以外でも対応できる可能性があります。この記事の最後に紹介する他の屋根補修方法もぜひチェックしてみてください。
屋根の葺き替え工事の流れ
屋根は、表から見える一次防水と内側で家を守る二次防水にわかれます。
葺き替え工事では、下地の上にある一次防水と二次防水をすべて取り外し、新しいものに交換します。
何層にも重なる屋根のパーツをすべて組んでいくため、工期は7〜10日ほどかかります。
どのような作業が行われるのか、当社の施工事例写真をもとにくわしく見ていきましょう。
- 足場の組み立て
- 既存の屋根の解体
- 下地の状態確認、補強
- 野地板の設置
- 防水シート設置
- 新屋根材の設置
- 板金処理
- 手直し、足場解体、掃除
(1)足場の組み立て
工期(工事にかかる時間) | 半日〜1日 |
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屋根の上は2m以上の高所作業になることが多く、基本的には足場が必要になります。
家の周りをぐるっと覆うように組むため、大きな家になるほど時間がかかります。
(2)既存の屋根の解体
工期(工事にかかる時間) | 1日 |
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今付いている屋根材を取り外し、撤去します。
今回は「アスファルトシングルの寄棟(よせむね)屋根を、新しいアスファルトシングルに交換してほしい」というご依頼でしたので、スレート、防水シート、野地板を順番に取り外しました。
古い木くずや屋根の破片が散らばりますが、小さな箒とちりとりキレイに清掃します。
雨が降りそうなときは、雨水でお家を傷まないよう、丁寧に養生します。
古い瓦屋根の場合には、瓦の下に『葺土(ふきど)』という固定用の土がありますが、葺き土もこのとき撤去します。
(3)下地の状態確認、補強
工期(工事にかかる時間) | 1日 |
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下地の状態を確認し、必要であれば補強、修繕を行います。
このときは一部の隅木(すみぎ:屋根を支える斜材)が腐り落ちていたため、補強のために新しい木材を継ぎ足しました。
(4)野地板の設置
工期(工事にかかる時間) | 1日 |
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下地の上に、新しい野地板を貼り付けていきます。
野地板とは、屋根材を支えるための板のことを言います。
9mm〜12mmくらいの厚みのことが多いです。
野地板を貼ることで、屋根の強度が高まります。
このときは、唐草(からくさ:屋根の一番外側を囲い込む部材のこと)の釘が抜けかけていたので、しっかりと付け直しました。
(5)防水シート設置
工期(工事にかかる時間) | 1日 |
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ルーフィング(防水シート)を野地板に敷きます。
防水のシートにより、雨に強い屋根になります。
アスファルトシングルを貼る前に、軒先水切りのスターターを設置します。
(6)新屋根材の設置
工期(工事にかかる時間) | 1日〜2日 |
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新しい屋根材を、1枚ずつていねいに貼り付けていきます。
工期は屋根材によって前後しますが、1〜2日ほどで設置が完了します。
アスファルトシングルを屋根1面に貼ったようすはこちら。
(7)板金処理
工期(工事にかかる時間) | 半日 |
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屋根の棟に板金加工を行います。
棟板金があることで、雨水が入りこまない家になります。
(8)手直し、足場解体、掃除
工期(工事にかかる時間) | 半日〜1日 |
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最後に点検し、手直しや掃除を行なって完了となります。
キレイに葺き替えできました。
ご予算にあわせた修理プランをご提示します。
屋根の葺き替にかかる費用はいくら?
このトピックでは、費用の目安と、その理由を解説していきます。
地域や業者によっても異なるので、あくまでも目安として考えてもらえればと思います。
平均的な家のサイズである30坪(99㎡)の施工と仮定すると、工事費は95万円〜240万円が相場です。
既存の屋根がアスベストを含む屋根材だと、処理費としてさらに200万円ほどかかることになります…。
正直なところ、金額を見てびっくりされた方も多いと思います。
何の作業にどれくらいかかるのか、くわしく紹介しますね。
何にどれくらいかかるの?
葺き替え工事をすると、下の表のような費用が施工する面積分かかってきます。
※費用はあくまで一例です。お住まいの状況によって変わる場合がございます。
これらを30坪分の99㎡で計算すると、先に紹介した95万円〜242万円となるわけです。あくまでも目安の金額にはなりますが、みなさんもぜひ計算してみてください。
葺き替え以外の屋根修繕工事(カバー工法・塗装・コーキング)
さて、ここでは葺き替え以外の屋根の修繕方法を紹介していきたいと思います。
ぜひチェックしてみてくださいね。
ここでお伝えする工法は次の3つです。
- カバー工法
- 塗装
- 部分修理(コーキングなど)
費用を抑えて工期も短い!カバー工法
工期(工事にかかる時間) | 4日〜1週間 |
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費用 | 30坪で70万円〜90万円前後 |
カバー工法はどんな工事?
既存の屋根を解体せずに、『上から新しい屋根をかぶせる工事』のこと言います。
名前通り、屋根をカバーする工法です。
工期は4日〜1週間ほどが目安になっています。
費用は30坪で70万円〜90万円前後が目安となっており、葺き替えに比べて比較的安く屋根を新しくすることができます。
カバー工法のメリット、デメリット
そんなカバー工法のメリットは、大きくわけて4つあります。
- 葺き替えに比べて安い。
- 廃材が出ないため、撤去や処分の費用がかからない。
- 既存の屋根の撤去、下地の補修をしないので仕上がりが早くなります。
- 屋根が二重になるので、遮音性、断熱性、防水性が向上します。
一方、デメリットはこちら。
- 下地の状態を確認できないので、トラブルがあっても気づきにくい
- 軽い屋根材を選ばないと、屋根重量が重くなり、耐震性が低下する。
- 瓦の屋根や、劣化の激しい屋根は施工できない
カバー工法はどんな人にオススメ?
お伝えしたデメリットのうち、とくに注意してほしいのは耐震性と屋根材の種類ですね。
施工業者に相談して、ここをクリアできるようであれば、カバー工法を取り入れてみることをオススメします!
下地材のチェックが必要ですが、リフォームの費用を抑えたい、工期を短くしたい方にはカバー工法がピッタリです。
廃材が出ないので、「アスベストの入ったスレート屋根を低コストでリフォームしたい」という方にもオススメできます。
色褪せ退色なら!再塗装
工期(工事にかかる時間) | 1週間〜2週間 |
---|---|
費用 | 30坪で25万円〜(※屋根の種類によります) |
塗装はどんな工事?
塗装とは、『色褪せた屋根材を塗装する』ことで見た目を良くし、耐久性を高めるための工事です。
工期は1週間〜2週間ほどが目安。
「塗装なら早く終わりそう!」というイメージがありますが、屋根材の清掃に始まり、何度か重ね塗りするのでこれくらいの工期がかかります。
費用は塗装する屋根材や塗料によっても異なりますが、だいたい下の金額がが相場となっています。
- ガルバリウム屋根 :25万円〜30万円
- スレート屋根:30万円〜40万円
塗装工事のメリット、デメリット
そんな塗装工事のメリットは3つあります。
- 既存の屋根を活かすので費用を抑えられる
- 塗装が紫外線や風雨から屋根材を守り、屋根の寿命がのびる
- ひび割れなどを事前に防ぐことができる
対して、デメリットはこの通り。
- 時間が経つと色褪せるので、また塗装が必要になる
- 工期が意外と長く、天気が悪いとさらに延びる可能性がある。
塗装工事はどんな人にオススメ?
屋根材の状態確認は必要ですが、色褪せが気になる場合にオススメです。
既存の屋根材を活かした工事ですが、新品のような仕上がりになります!
小規模な雨漏りなら!雨漏り部分修理
工期(工事にかかる時間) | 最短で1日 |
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費用 | 24,000円〜100,000円 |
部分修理はどんな工法?
部分修理とは、屋根全体ではなく、『雨漏りしている部分だけピンポイントで修理』する工事です。
たとえば、屋根のヒビ割れを埋めるコーキング補修や、壊れた瓦の差し替え、棟板金の交換などを行います。
屋根全体ではなくピンポイントで修理するので、工期は最短で当日中、費用も24,000円〜100,000円と、早く、安く修繕することが可能です。
部分修理のメリット、デメリット
そんな部分修理のメリットはこちら。
- 雨漏りしている部分だけを修繕するので費用が大幅に抑えられる
- 工期が短い
対して、デメリットも見てみましょう。
- 屋根の劣化が激しい場合は、その場しのぎにしかならない
部分修理はどんな人にオススメ?
部分修理は、雨漏りしているのが1〜2カ所で、とにかく費用を抑えたい!すぐになんとかしてほしい!という方にオススメの工事です。
ご予算にあわせた修理プランをご提示します。
ライフプランをふまえて、プロに相談してみましょう
屋根の修理には専門的な知識が必要です。
自分で判断せず、まずはプロに状況をみてもらい、相談し、判断しましょう。
プロに相談するときは、下の2点を考えてから相談するといいですね。
- この先、何年この家に住みたいか?
- 家にどのくらいのお金と時間をかけられるか?
業者の中には修理プランを屋根の状態だけで判断するところもあるようですが、家は生活と深く結びついているもの。
屋根の状態に加えて、ライフプランも加味して考えられるべきです。
やみくもに葺き替えや塗り替えをおすすめしたりせずに、あなたに合ったベストな提案をしてくれるのが”いい業者”と言えます。
でもここで困ってしまうのが「いい業者はどうやって選べばいいのだろう?」というところ。
決して安い買い物ではないリフォームです。
騙されたりせず、しっかりとした業者にお願いしたいところですよね。
お客様から悪徳業者の話を聞くこともありますし、国民生活センターにもリフォーム関連の相談が絶えないようです…。
増加する住宅リフォーム工事のトラブル-トラブルは悪質な訪販リフォームだけじゃない!- 独立行政法人国民生活センター
いい業者の選び方については、私、松坂の書いたこちらの記事をぜひ参考にしていただければと思います。
▶︎雨漏り修理はコレで解決!失敗しないポイントをプロが徹底解説します
こちらの記事と合わせて、ぜひ読んでみてくださいね。
まとめ
葺き替え工事の内容や工期、費用をはじめ、それ以外の屋根のリフォーム方法についても紹介してきました。
葺き替え工事について、少しおさらいしておきましょう。
- 葺き替え工事は、既存の屋根材を撤去して、新しい屋根材を設置する工事
- 工期の目安は1〜2週間
- 費用の目安は、30坪の施工で95〜240万円
- 屋根の寿命が延び、地震に強い屋根になるが、費用が高く、工期が長い
でしたね。
葺き替え工事の他にも、
- カバー工法
- 再塗装
- 部分修理
と、屋根の修繕工事には色々あるのでぜひ覚えておきましょう。
いずれにせよ、専門的な知識を持ったプロの業者に判断してもらうのがよいと思います。
先ほど紹介した通り、雨漏りが原因でリフォームを考えていらっしゃる方は、部分修理で対応できる場合もあります。
屋根の部分葺き替え事例
2021年9月20日
こちらのお客さまは、「屋根から雨漏りする。部分修理でなんとかできないか」というご相談でした。
屋根を調査したところ、桟瓦が複数割れており、下の瓦桟木(かわらさんぎ)が腐って雨漏りしていたため、「部分葺き替え」にて対応いたしました。
※桟瓦とは、横断面が波形となった瓦のことです。
※桟木とは、瓦を設置する時に引っ掛けて固定するための木材です。
雨漏り再発防止のため、瓦桟木と防水性にすぐれた「改質アスファルトルーフィング」を施工させていただきました。
お客さまからも「部分葺き替えで済んでよかった」と喜びの声をいただきました。
当社では、無料の雨漏り診断も行なっているので、一度みんなの雨漏り修理屋さんの無料相談に、電話してみるのもいいかもしれません。
あなたのライフプランを加味した上で、一番よいご提案をさせていただきます。
あなたの屋根の悩みが、1日も早く解決することを祈っています!
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